オフィス、教室、家庭で使える筆記面をお探しの場合、ちょっとWeb検索するだけで膨大な数の選択肢が見つかることでしょう。多大な投資となるわけですから、選択にあたってはそれぞれの表面タイプのメリットと欠点について理解することが重要です。近年のDIYコミュニティでは、なめらかで平面な仕上がりのドライイレース塗料とも呼ばれるホワイトボード塗料を筆記面に使うことが人気になっています。その人気の理由には、この塗料が比較的低コストで施工が簡単なことが挙げられます。壁やドア、テーブルに文字を書きたくない人なんているでしょうか?こうした塗料は、オフィスや教室で使われることもありますが、耐久性には疑問が残ります。当社は、壁にこの塗料を塗り、その品質と耐久性について、CeramicSteelとの比較を行いました。
その違いとは?
ホワイトボード塗料は通常、乾くと拭き取り可能な表面になるエポキシ添加剤が含まれている高輝度の塗料です。一方、CeramicSteelには、スチールに硝子体(あるいはガラス由来)のエナメルが融合されており、なめらかで磁気があり、染みや傷がつきにくく、耐菌性と耐火性を備えた表面が特徴的です。
ツヤ
なめらかな書き心地はスムーズな表面から生まれます。CeramicSteelは、すみずみまでガラスのような筆記面が特徴。一方、ホワイトボード塗料をプラスチックやドライウォールなどのなめらかで平らな表面に塗ると、スムーズなペイントローラーを使っているにもかかわらず、「みかんの皮」のような凹凸のあるザラザラした手触りに仕上がります。これにより、CeramicSteelと比べてツヤ感が低く、書いたり拭き取ったりする際に摩擦のある表面になります。
左:CeramicSteel、右:ホワイトボード
消去性
無機材料で作られた無孔表面のCeramicSteelは、ドライイレースマーカーのインクも、油性マーカーのインクも吸収しないため、CeramicSteelの筆記面には、「ゴースト(消し跡)」や染みが残りません。ドライイレースマーカーのインクは、乾いた布や一般的なイレーザーで簡単に拭き取ることができます。ペンのインクや半油性マーカー、油性マーカーは、溶剤ベースのクリーナーで拭き取り可能です。
ホワイトボード塗料仕上げの表面に書かれたドライイレースマーカーは、CeramicSteelの表面と比べて消しにくいという特徴があります。それは、筆記面のツヤが少なく、凹凸があり、言うまでもなく塗料が多孔性であるためです。この消しにくさは、老朽化とともに3倍悪化します。これはすべて、経時的にホワイトボード塗料がマーカーのインクを吸収するようになり、染みがつきやすくなるためです。さらに、CeramicSteelのように油性インクの使用に適していないためでもあります。
左:CeramicSteel、右:ホワイトボード塗料
表面の硬度
表面の硬度は、強度と劣化に対する耐性で定義されます。CeramicSteelは、磁器エナメル製でガラスのような硬い性質のため、曲がったり、簡単に割れたりすることはありません。実際、その強度の高さからPolyvisionでは永久保証を提供しており、CeramicSteelが設置された建物の寿命、あるいは製品の寿命のいずれか早い方まで表面を保証します。
ホワイトボード塗料の硬度イコール施工される表面の硬度といえます。塗装された壁がそうであるように、塗装表面は傷や染みがつきやすく、傷一つないCeramicSteelの表面のようにプロフェッショナルな外観にはなりません。
上:CeramicSteel、下:ホワイトボード塗装
耐スクラッチ性と耐摩耗性
ホワイトボード塗装とCeramicSteelに対する試験には、国際標準を用いました。スクラッチ耐性試験を行うには、まず表面のサンプルをターンテーブルに固定します。そして、サンプルが1回転するたびに、規定のダイヤモンド針がついたアームが荷重されて表面をスクラッチします。スクラッチには異なる重さがかけられ、10種類のスクラッチを生じさせます。スクラッチは4色のドライイレースマーカーで色付けされ、拭き取られてから評価します。拭き取り後にドライイレースマーカーのインクが残った傷が、恒久的に表面を傷つけたスクラッチとなります。この試験では、ホワイトボード塗装の表面には簡単に傷が生じました。一方、CeramicSteelに傷をつけられるのはダイヤモンドだけであるにもかかわらず、CeramicSteelの表面には最小限の傷しかついていませんでした。
左:CeramicSteel、右:ホワイトボード
耐久性
表面の耐久性を評価する試験では、高負荷の試験により経年劣化を疑似的に発生させます。テーバー摩耗試験にはターンテーブルと紙やすりを使用して、耐摩耗性と耐久性を測定します。
表面の耐久性の測定に使用されるテーバー摩耗試験用のターンテーブル
CeramicSteelには最小限の摩耗しか生じなかった一方、ドライイレース塗料の表面は、基材に達するほどの摩耗が見られました。このことから、ホワイトボード塗料は、繰り返し擦られる場所で品質を維持することは難しく、長期的な使用に対する耐性は低いことが示されています。長期の使用により表面は摩耗し、再塗装や交換が必要になりますが、CeramicSteelの場合は、イレーザビリティが損なわれることはなく、経時的に表面が劣化することもありません。
耐薬品性
耐薬品性試験の目的は、表面の頻繁なクリーニングに対する耐性、ラボでの化学薬品によるアクシデントへの耐性、その他過酷な条件下での耐性を評価するためです。CeramicSteelは、無機材料で作られた非多孔質のガラスのような表面のため、細菌やきつい化学薬品をはじめとするあらゆる物質が浸透することを防ぎます。ホワイトボード塗料は、化学薬品に対する耐性が低いため、耐薬品性試験の後には、著しい劣化や機能低下が見られます。このことから、ホワイトボード塗料と比べたCeramicSteelの寿命の長さが証明されています。
マグネット対応
市場で需要が高いのは、掲示物、お知らせ、重要な書類などを掲示できる便利なマグネット機能のある表面です。CeramicSteelの磁気性能は、その名が示す通りスチールにガラス質のエナメルが施工されており、その表面は強力な磁気を備えています。ホワイトボード塗料が塗られた表面には磁気性能はないため、マグネット機能を持たせるには、磁気のある表面に塗料を塗る必要があります。マグネット機能を備えていることは、高品質の筆記面に重視されることではありませんが、製品の機能の点でプラスになることは間違いありません。
CeramicSteelの特長である強力な磁気性能
設置ガイド
CeramicSteelホワイトボードの設置手順は、壁に絵を掛ける方法と同様にシンプルなものです。ボードを設置したい場所にマウントブラケットを置いて穴の位置をマークしてドリルで穴を開け、ブラケットを取り付け、ボードを掛けます。CeramicSteelホワイトボードは重いため、この作業は2人で行う必要がありますが、手順は簡単です。一方、ホワイトボード塗料を塗る場合は、塗装、やすりがけ、クリーニングなど、壁の下準備を伴います。その作業が済んだら、2種類の塗料を混ぜる必要があります。また、塗料は臭いが強いため、適切に換気することも必要です。塗料を混ぜ合わせたら、毛羽立ちにくいローラーで下準備が終わった表面に塗装します。表面をまんべんなく塗るために、通常は2、3回重ね塗りをします。適切に塗装し終えたら、塗料が乾いて使用できるようになるまでに、最低でも24時間ほど時間を置く必要があります。
最後に
CeramicSteelとホワイトボード塗料は、筆記面としてそれぞれ重宝されています。日曜大工やクラフト愛好家の人たちは、ホワイトボード塗料製品が提供する多用途性と自在な創造性を好んでいます。一方、プロフェッショナルで持続可能な投資効果が長く、世界中の2500万以上の教室で高頻度の使用にも耐え、長い実績を誇るCeramicSteelが、教育、企業、医療の現場に最適なチョイスであるのは言うまでもありません。