ミシガン州アナーバーのウォッシュトノー中学校区にあるHigh Point Schoolで行われた大規模な改修は、特別支援学級のK-12（幼稚園年長から高校卒業まで）の生徒たちにとって、学習のあり方を見直す好機となりました。
誰もが学習し、創造性を発揮できる場所へ
1972年に創立されたHigh Point Schoolは、当初は現在とは異なる生徒を対象としていましたが、今は身体、知能、または行動に関して著しい障害がある、3歳から26歳までの特殊教育が必要な生徒を対象としています。この建物には、Honey Creek Community SchoolのK～8学年（幼稚園年長から中学卒業まで）、託児所、そしてこの学区のろう者や聴覚障害の生徒のための学校もあります。また、自閉症の生徒を対象とした学校が2022年秋に開校する予定です。
改修作業において重要なのは、コラボレーションを促すとともに、包括性や一体感を育む、生徒たちにとって安全で居心地の良い空間を作ることでした。また、この学校には多様な生徒が在籍しているため、絶えず変化するニーズに幅広く対応できる専門的かつ適応力の高いソリューションが必要でした。TMPのインテリアデザイナー、Sarah Watson氏は言います。「ニッチなデザインでは、プロジェクト全体のバランスが非常に重要になってきます。その建物を利用する人たちにとって刺激が強くなりすぎないように、美しくも落ち着きのある、圧迫感を与えないパターンを選ぶことが重要でした。また、グループで集まることができる機能的な空間を作る必要がありました。」
この目標を達成するためには、機能的なだけでなく、効果的で利用しやすい、コラボレーションに適した表面製品を見つけることが不可欠でした。
小さなコミュニティとしての役割を果たす学校環境を作る
Steelcase Flow™モジュラー式ホワイトボードシステムは、あらゆる学習レベルや可動レベルの生徒が書く、描く、コラボレーションする、そしてイマジネーションを膨らませられる、安全で利用しやすい場所を提供する理想的なソリューションです。デザインチームはSteelcaseと協力し、 すべての学校やプログラムでの授業やコラボレーションをサポートするため、200台を超える壁全面Flowホワイトボードを設置しました。
「このユニークなプロジェクトを構想した時に浮かんだのは、生徒たちがつながりを感じられるアットホームなコミュニティの一員であると思えるような、楽しい気持ちになる、居心地の良い空間を創るお手伝いがしたい、という思いです。」と、Steelcase Collaborative SolutionsのMark DeNapoliディレクターは言います。「Steelcaseは、一体感を育み、一日の流れを自らコントロールできると感じられるようにサポートすることに誇りを持っています。このような体験をHigh Pointの生徒の皆さんにもお届けしたいと思っています。」エンゲージメントとインタラクションを促す、壁一面に取り付けられたFlowの表面は、適応力が高く、容易にアクセスできるコラボレーションツールです。このツールは、特に学習や可動性に障害のある生徒にとって重要な意味を持ちます。さらに、CeramicSteel表面は無孔のため清掃や殺菌が簡単で、体の弱い生徒（このうち多くが車椅子を利用）が細菌やその他の有害な微生物にさらされるリスクを低減します。また、耐久性が高く、傷やへこみ、化学薬品、汚れ、紫外線による色あせ、火災にも耐性があります。これらはいずれも、学校にとって重要な検討事項でした。
アナログとデジタルの共存
High Point Schoolでは指導においてインタラクティブな技術も活用しているため、 材料の選定に際してその柔軟性を考慮することも非常に重要でした。ほかのソリューションと違い、Flowでは直接その上にテクノロジーを組み込むことが可能です。さらに、電気やデータの配線を通してモニターに接続するために、その場でカットすることもできます。こうした機能により、複数の技術を重ね合わせることができると同時に、教員は、いずれも現代の学生たちにとって欠かせない要素であるアナログとデジタル両方の教育ツールにアクセスすることができます。
DeNapoliはまた、次のように述べています。「当社のソリューションを通じて、この学校ではアナログとデジタルを組み合わせたハイブリッド型の 『近しいコミュニティの流れ』を実現することができました。知識の共有と学習を促進し、生徒の健康と幸せを支える画期的なコラボレーションソリューションを通じて、明確な目的を持つこのコミュニティをサポートできることをうれしく思います。」
原点に戻る
このボードの機能性と柔軟性、そしてメンテナンスの簡単さを活かすことで、あらゆる学習レベルの生徒への指導やコミュニケーションが容易になります。ボードの磁気面は、視覚学習の教材やサインを取り付ける際にとても便利です。ボードを縦に設置すると、作業面が広くなり、より幅広いアクセシビリティや可動性のニーズに対応できます。
廊下にある2か所の小さなスペースに、丸窓と座り心地の良い椅子が置かれています。このスペースは、生徒が集まる人気の場所です。窓の形に合わせてカットしたFlowボードには、花が生き生きとした線で描かれています。生徒たちはこの花に色を塗ったり、描き足したりすることができるのです。カスタムグラフィックをフィルムにして重ね合わせるのではなく、材料に直接焼き付けているため、表面に見える画像は何十年も消えることがありません。
High Point Schoolでは、生徒と教師が本当のつながりを持てる、安全でコラボレーションに適した、すべての人を受け入れるコミュニティを創ることに成功しました。