50人 - これは、「患者の安全と質:エビデンスに基づく看護師向けハンドブック」によると、4日間の入院で会う可能性のある従業員の人数です。これだけの頻繁な交流があるということは、絶え間ない情報とコミュニケーションの往来があることを意味します。病院スタッフと、患者さんや介護者を含むすべての治療チームメンバーの間に、効果的なチームワークが形成されていることが不可欠です。医療現場にはさまざまな人間関係があり、それぞれに特有のコミュニケーションニーズがあることから、コラボレーションが簡単、明確、かつ柔軟に行われなければなりません。
ヘルスケア分野では、重要な情報が目まぐるしく変化しています。すべての情報を把握するため、多くのデザイナーは記憶率を向上できるよう医療コミュニケーション用のホワイトボードを設計に組み込んでいます。脳の働き方は、情報の受け取り方によって変わるもの。私たちは、耳にしたことは20パーセント、目にしたことは30パーセント、目で見て耳で聞いたことは50パーセント、そして声に出してメモしたことはなんと70パーセント記憶します。記憶力を大幅に向上させることは、医療ミスを減らすために極めて重要です。
コラボレーションの重要な役割
スコットランドにあるアバディーン大学の研究者らが行った調査では、医療従事者は、チームワークとコミュニケーションを向上させることが、臨床効果と仕事の満足度を向上させる上で最も重要な要因の一つだと考えていることが分かりました。チームワークとコミュニケーションが効率的でなければ、誰もが苦しむことになります。
医療施設認定合同審査会(Joint Commission on Accreditation of Healthcare Organizations)は、コミュニケーションエラーを投薬ミス、治療の遅れ、誤った部位への手術の主な原因として挙げており、手術や術後の事象や致命的な転倒の根本原因としては2番目に大きな原因だとしています。米国医学研究所(Institute of Medicine)の1999年の報告書「人間はミスを犯すもの:より安全な医療システムの構築」によれば、アメリカでは毎年44,000~98,000人が医療ミスによって亡くなっていることを考えると、医療現場にコラボレーション向け製品を設置することが、悲惨なミスの防止につながります。
ジョージア州ゲインズビルにあるNortheast Georgia Medical Centerの心臓科ICU/CCUで正看護師を務めているKarri Mupoさんは、院内コミュニケーションホワイトボードなどのコラボレーション向け製品を使うことで、職場をより安全にできると説明しています。「患者さんの安全を向上させるために、私の病院では、各シフトを開始する際に安全のための打ち合わせを実施しています。この打ち合わせは毎日行われており、スタッフがシフトに入る前に、懸念事項や認識事項をお互いに告知します。そこではホワイトボードを活用し、現在のスタッフの割合、薬や消耗品関連の問題、その他の安全ツールなど、患者ケアを改善するための様々な面を可視化しています。効果的なコミュニケーションは、患者さんのケアを向上させるための安全な環境づくりに役立ちます。」
組織化することが不可欠
明確なコミュニケーションには、組織化が必要です。Harvard Medical Schoolが実施した調査では、2003年に米国で入院している患者の5分の1以上が、スタッフから矛盾した情報を提供されたり、自分のケアを担当している医師についてスタッフが把握していないなどの病院システム上の問題を報告していることが分かりました。また、米国防総省と医療研究・品質保証機構が1995年~2005年の10年間で実施した追加調査では、この期間に発生したすべての医療ミスのうち、その66パーセント近くが非効率なチームコミュニケーションが根本原因であったことを明らかにしました。ヘルスケア業界の環境は進化を続けており、手術室、病室、看護師のワークステーションにおいて効果的に情報を伝達することは、今後とも優れた患者ケアのために不可欠な要素となるでしょう。
CAPPMであり、Gwinnett Pulmonary Groupで実務責任者を務めるJennifer Thomas-Roloffさんは、組織化することが不可欠だとしています。「医療の現場では、組織化することが重要です。60,000人を超える治療中の患者を抱える医師は、情報の安全性とアクセス性を確保するために複数のツールを使用しています。医療の実践は、共同作業です。 患者用ホワイトボードを使用して患者さんの治療計画を緻密に計画し、患者さんの状態を明確に説明することで、質の高い患者ケアへと繋がります。」
ヘルスケア環境におけるコラボレーション向け製品
過酷なヘルスケア環境では、チームワークと患者の健康を守るために、高い水準で常にコミュニケーションをとる必要があり、コラボレーション向け製品は欠かせません。最先端の印刷技術により、医療施設のロゴやブランド名のほか、スケジュール、患者のケア情報などをカスタマイズされた筆記面に書き込むことができます。Polyvisionは、建築やコラボレーションに適した耐久性のあるCeramicSteel製品を開発するリーダー的存在です。CeramicSteelの表面はガラスのように滑らかで長持ちします。また無孔表面はバクテリアへの耐性を備えており、さらに銀イオン技術処理が施された衛生仕上げを選択することもできるため、ヘルスケア環境の厳しい要件に適しています。
応用材料メーカーであるDesigntexのイメージングスペシャリスト、Joanne RarangolさんはPolyvisionとプロジェクトで手を組むことがよくありますが、PolyvisionのCeramicSteelパネルについて「特に医療分野の多くのプロジェクトで求められることの多い、耐久性、清掃のしやすさ、抗菌性、耐火性、耐傷性、落書きへの耐性といった要素を備えており、お客様からは良い反応を得ています」と述べています。